現代の2世帯住宅(親子同居)

2015年調査では、親と同居する場合、老後に子世帯と同居する場合のいずれも「風呂と台所が別々の2世帯住宅がよいと思う」人が多数派となっているようです。18才以上の人々に親子同居の価値観は、風呂や、台所の独立性を重視する人は多く、自分が親の立場で子夫婦と同居する場合には、こうした傾向が謙虚にみられました。このような価値観は、特に女性に多く、風呂や台所が、別々が良いと答えた人は、8割を超えています。
実際に、高齢期に一人になった場合の住まいについて、子世帯と同居を希望する人は、1割未満であり、経年変化でも減少しています。また同居を希望すると答えた人でさえも、女性では、風呂や台所が別々が良いと答えた人は、7割を超え、同居といっても風呂や台所は必要に応じて気兼ねなく利用できる環境を望んでいることがわかりました。これらの結果から、意識の面でも、子夫婦とは、別々に暮らすことが多くの人にとって、望ましい老後生活になりつつある今日、老後に子世帯と風呂や台所を共有で同居することは、特に女性にとって抵抗感の強い住まい方になりつつあります。
以上の結果から、高齢期を迎えた親が、さまざまな理由から最終的に子世帯と同居する場合には、特に親側のプライバシーや生活空間の共有に気兼ねに配慮し、風呂や台所をリフォームしたり、それらの使い方を工夫することが重要になってくると考えられます。経済的な理由や住宅の構造上の制約で、風呂や台所を別々に設けられない場合などにも、親が気兼ねなく過ごせる個室とともに、外出や訪問客を迎える上で、気を使わなくても済むように、外部との出入りのしやすさの工夫・配慮についても考えてみる必要があるのでは、ないでしょうか??

株式会社 第一経済研究所様のレポートより

117