基礎パッキング工法のひみつ

床下点検口の欠点
昔の民家や農家では、束石と呼ばれる自然の石(花こう岩)の上に柱を立てて、柱を土壌から上がってくる湿気から絶遠させていました。このように束石によって持ち上げられた床下は、湿気がこもらず、風通しの良いものになっていました。その後時代を移り、日本では布基礎が普及し、コンクリートの上に直接土台を据え付けるようになりました。しかし、コンクリートは、自然の石とはことなり、湿気を含みます。一般にコンクリートが完全に乾くのには、およそ16年かかるといわれ、一方で木材は、最低2年で気乾状態となります。このため、土台と基礎が密着していると、土台は常にコンクリートから過剰な水分をもたらされることとなり、バクテリアや蛋白質など木材を侵す腐朽菌を生じさせることとなります。今日的な諸事情を考えますと、コンクリートによる基礎は、まず避けることができません。コンクリートが持つ性質を、木材(土台)が負わされるリスクをどのように補うのか??「基礎パッキング工法」はこのような背景から開発されたものです。また、束石からコンクリートに変更し、基礎で床下をふせげば、当然そこの空気は動かなくなり、床下に湿気がこもります。そこで、その湿気を排除するためには、床下に換気口を設ける必要が出てきました。床下換気口は、基礎の上部に欠き込みを設けて、そこから床下へ空気の流れを確保します。この為、基礎に入れる鉄筋が換気口によって分断されてしまい、基礎自体の強度も低下してしまいました。これに伴い換気口の必要最小のスペースとなり、換気口は、建物周囲の基礎に点状に配置されます。これですと、点から点へいわば、線上にしか、空気が流れない為、どうしても床下内部で換気ムラや局部では、換気が行われないということが生じてきました。

ねこ土台の復活
「基礎パッキング工法」では、土台と基礎に間に、スペーサーとなる特殊樹脂製のキソパッキンを約1m間隔で敷き、土台と基礎を絶遠することで、コンクリートの湿気が土台に伝わらないようにします。さらに、自然の風の流れや、温度差を利用し、風下側で発生する空気の吸出し効果によって、土台の全周からまんべんなく空気を取り入れ、床下全域で換気が行われます。「基礎パッキング工法」は、基礎の切り欠きを必要としないことから鉄筋を切断せずに済み、配筋も複雑にならすにすみ、施工効率の向上とコストダウンにつなっがていきます。このように換気口を設けず、基礎の全周から外気を取り入れる「基礎パッキング工法」は、換気性能を一段と向上させ、土台の耐久性を高めることができます。

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